文教SMILEブログ

ブログ

LLブックをつくろう

国文学科
 
 滋賀文教短期大学では、びわ湖東北部地域「地域を担う人材の育成プロジェクト」の一環として、「LLブックをつくろう」をテーマに、講師に専修大学の野口武悟先生、欧文印刷株式会社の井上竜介さん、松尾孝行さんをお招きして、4回の講座を開催しました。「LLブック」とは、知的障がいのある人や日本語を母語としていない人など、文字を読んだり、本の内容を理解することが苦手な人でもやさしく読めるよう工夫されている、やさしくてわかりやすく書かれている本のことを言います。

          



 本講座は、「ハートフルブック」(※)を活用し、実際にLLブックを作成することを通し、バリアフリー図書について広く知ってもらうとともに、読書に困難を抱える方へのアプローチの方法を提供し、障がい児者サービスの拡充や、全ての人に読書を提供することを目指して開催されました。

 実際の講座は、まず第1回目で、野口先生よりLLブックとは何かの講義を受け、その特徴や表現方法、実際の使われ方などを学んだ後、欧文印刷の井上さん、松尾さんより同社が提供するLLブック作成ツールによる、LLブックの作り方を学びました。この日は、次回までにそれぞれLLブックにするための素材を集めアイデアを練ってくるという課題が出ました。

          




 2回目の講座では、それぞれ持ち寄ったアイデアを共有し、講師や他の参加者からアドバイスを受けました。後半は実際に作り始め、その中での疑問点を確認したりする作成の時間としました。本学からも4名の学生が参加、完成に向けて頑張りました。本学の国文学科の学生の多くは司書資格の取得を目指しており、LLブックのようなバリアフリー図書について知ることは、とても重要です。



          



 3回目の講座はオンラインで行い、実際に作ったデータを見ながらアドバイスを受ける相談会として開催しました。さあ、この後はいよいよ最終原稿の作成です。締め切りも提示され、それぞれ最終調整に入りました。完成も間近です。

 最後になる4回目は、成果発表会として外部の方も自由に参観できる形にして、それぞれ5分程度のプレゼンを行い、それぞれ工夫した点や、作品に対する想いを語っていただきました。

          

 
 4回の講座を経て、参加した13名全員がそれぞれの想いのこもった「LLブック」を完成させることができました。内容は大学紹介や図書館の利用案内のような実用的なものから、水族館などの施設紹介や電車に乗っての京都紹介などガイドブック的なもの、お孫さんの旅行の様子やへちまについて紹介した作品、自慢のペットの紹介など多岐にわたります。






 最後に講師の方に講評をいただき、午前中の成果発表会は終了。午後はお茶とお菓子で最後の交流会を実施しました。全員が無事に完成させた喜びもあり、お互いに感想等を言い合う、和やかな時間となりました。


          




 完成した作品は、本学で一部ずつ受け入れるとともに、国立国会図書館に納本し、ハートフルブックのサイトにも掲載していただく予定です。


          




 講師の先生方、参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。









 ※ 「ハートフルブック」
  欧文印刷株式会社が提供するLLブックのことを紹介したサイト。
  LLブックをつくることができるサービスも提供しています。
  https://heartfulbook.jp/